突然ですが、カレーを食べる時に欠かせない物は何でしょうか?
「お水? サラダ?何?」
「えっ、カレーにはご飯でしょ!」
忘れていないでしょうか?福神漬けとらっきょうです!
カレーの付け合わせの薬味として福神漬けとらっきょうは、多くの方に知られています。
そもそもいつからカレーと一緒に福神漬けとらっきょうが、食べられるようになったのでしょうか?
私も子供の頃(40年前)を思い返すとカレーと一緒に赤い福神漬けが添えられていました。
今回は福神漬けとらっきょうの基本情報についても解説します。
いつからカレーと一緒に食べるようになったの?
福神漬けとらっきょうは、いつからカレーと一緒に食べるようになったのでしょうか?
諸説ある中から一つを紹介します。
福神漬け
1902年(明治35年)日本郵船の欧州航路の一等客船客にカレーライスが出されていました。
このカレーライスには、チャツネが添えられていました。
チャツネとは、野菜や果物に香辛料を使ったソースまたはペースト状の調味料です。
南アジアや西アジアなどで欠かせない調味料でもあります。
ある時にカレーに添えるチャツネを切らしてしまいます。
こまった料理人は、福神漬けを代用してみることに。
意外にも評判が良くカレーと一緒に添えられるようになったそうです。
当時の日本郵船で出された食事は世界のトップレベルとして評価されていました。
航海する中で、料理の腕を磨いていったコックたち。
そのコックたちが下船して、その味が日本の洋食が広まったきっかけになったともされています。
らっきょう
戦前に帝国ホテルが列車食堂でカレーにらっきょうを一緒に提供された説があります。
外国ではカレーにピクルスが添えられていました。
当時の日本ではピクルスがなじみがなかったので、らっきょうを添えたのだとか。
ちなみに1899年(明治32年)山陽鉄道(現:山陽本線)と官設鉄道(鉄道省管轄)の京都
から三田尻(山口県)間の急行列車に食堂付の列車を連結しました。
一等旅客者のサービスとして食堂設備が導入が食堂車の始まりです。
その当時はカレーライスやビフテキの他にも洋食のフルコースを出されたんだって!
時代は流れて、新幹線を始め列車の高速化により短時間で移動が可能になりました。
また、新幹線を利用する客が増えたため、座席数を確保することが必要に。
そして、2000年3月には新幹線から食堂車がなくなってしまいました。
らっきょうは日本の野菜?
らっきょうは中国が原産国の野菜で、漢字表記は「辣韮」と書きます。
らっきょうが日本へ来たのは平安時代で、薬用とされました。
らっきょうは「薤白(がいはく)」とも呼ばれ、生薬としても用いられています。
整腸作用・健胃(胃を元気にする)・食欲増進の作用があり、漢方薬としても重宝されることも。
独特の味と匂いで敬遠されてましたが、江戸時代から野菜として広まり、漬物や煮物に使われてきました。
らっきょうは甘酢漬けが主流ですが、しょうゆ漬けや塩漬けなどのバリエーションがあります。
なぜ「福神漬け」という名前なの?
福神漬けは、1877年(明治10年)頃、酒悦の15代店主 野田清右衛門が考案した漬物です。
酒悦は、1675年(延宝3年)「山田屋」という名で創業し、のちに「酒が悦(よろこ)ぶほど
うまいもの」の意味で「酒悦」を屋号にしました。
1675年は江戸時代で、第四代徳川家綱の頃やね。
福神漬けに使われている野菜は、こちら。
- 大根
- 茄子(なす)
- 蕪(かぶ)
- 瓜(うり)
- 紫蘇(しそ)
- 蓮根(れんこん)
- 刀豆(なたまめ)
当時は塩漬けした漬物が主流でしたが、福神漬けはしょうゆを使った漬物。
7種類の材料を使っているので、縁起の良い「七福神」にあやかって福神漬けと名付けられたそうです。
福神漬けの由来は、
- 原料に七つの野菜を使用していること
- 流行作家の梅亭金鷲(ばいていきんが)が上野の不忍池(しのばずのいけ)の弁天の近くにお店を構えていたこと
から名付けられたともされています。
今では福神漬けはカレーの付け合わせの印象が強いですが、もともとは白飯のためのお漬物として販売されていました。
東京で生まれた福神漬けがどのようにして日本中に普及していたのでしょうか?
そのきっかけは、日清・日露戦争に関係があります。
福神漬けは缶詰に保存できるように開発された漬物で、缶を開けない限り腐りません。
戦地にもっていっても腐らないので軍に重用され、ご飯を食べるための食欲増進用の漬物でした。
除隊後に自分たちの故郷に持ち帰り全国に広まった説が有力。
カレーも軍隊で食べられていたこともあり、偶然にも日本に広まる経路が一緒だったのには驚きです。
「酒悦」は、創業から300年以上経った今でも福神漬けの味を守りづけています。
赤い福神漬けと茶色い福神漬けの違い
2種類の違いは着色料で赤色は食紅を使用し、茶色は本来の自然な色です。
なぜ福神漬けを赤色にした理由は、インドの調味料でもあるチャツネをまねたとか。
今でも年齢が高いほど福神漬け=赤色のイメージがあるのかもしれません。
ちなみに福神漬けの日は7月29日で、七(しち)二(ふ)9(く)の語呂になっています。
福神漬けとらっきょうの進化系
令和の時代に福神漬けやらっきょうに進化バージョンがあるか調べました。
よくばりな漬物
福神漬けとらっきょうと生姜の3種類をミックスした漬物がカルディで発売されています。
ご飯にかけたり、おにぎりの具もできる優れもの「よくばりトリオ」という商品。
3種類も入ってお得な感じやね。
カレーの他にも卵かけごはんや炒飯などのトッピングにも相性がいいです。
チューブ状の福神漬けとらっきょう
ヱスビー食品から「きざみ福神漬け」と「きざみらっきょう」が発売。
粗みじん切りされた福神漬けとらっきょうが、チューブになった画期的な商品です。
福神漬けはカレーの隠し味やドライカレーの具として。
カレー以外ではおにぎりの具や納豆の添え物にも使用できるとか。
刻みらっきょうは、カレーはもちろんのことドレッシングやポテトサラダに入れてもOK。
キャップを外してすぐ使えるのが魅力ですね。
- 1902年(明治35年)日本郵船の欧州航路の一等船客にカレーライスにチャツネの代用として福神漬けが出されたのがきっかけ
- 戦前に帝国ホテルが列車食堂でカレーライスにらっきょうを一緒に提供された説が有力
- 福神漬けは1877年(明治10年)頃、酒悦の15代店主野田清右衛門が考案した漬物
- らっきょうは、中国の野菜で、平安時代に薬用とされていた
コメント