こんな経験はないですか?
今日は、かき揚げうどんを食べよう!と決めてうどん屋へ。
店内に入ると、カレーのいい匂いが…。
カレーの匂いに誘われて、今日食べたかったうどんではなくカレーうどんを食ベてしまう…と
いうことはないでしょうか?
食欲をそそるスパイシーな香り…カレーの匂いって最強ですよね。
カレーを使ったそば屋やうどん屋ならではのメニューといえば、
- カレーうどん
- カレー南ばん
- カレー丼
がありますね。
ちなみにうどんは室町時代、そばは江戸時代初期に食べられています。
それ以上に歴史が古いのは丼ぶりで、なんと室町時代に「芳飯」と呼ばれる料理が原点だそうです。
古くから日本で食べられているうどん・そば・どんぶりに、カレーを取り入れたのは、いつ頃でしょうか?
今回は、カレーうどん、カレー南ばん、カレー丼について解説します。
カレーうどんとは?
カレーうどんとは、うどんにカレー汁をかけたものです。
カレー汁は、かつおダシにカレー粉を加えたり、カレールーをダシでのばし、片栗粉でとろみをつけています。
また、カレーうどんの具材に決まりはありません。
牛肉や豚肉、鶏肉など肉類の他、野菜を入れる場合もあります。
カレーうどんはいつごろから?
1904年(明治37年)東京・早稲田にあったそば店「三朝庵(さんちょうあん)」が発祥とされています。
当時は洋食ブームでもあり、ライスカレーが人気でした。
洋食ブームに対抗して生み出されたメニューがカレーうどんなのです。
洋食が人気になって、三朝庵も危機感があったんだね…
また、このお店はかつ丼の発祥とされているんですよ。
2018年(平成30年)に112年間続いたお店は、惜しまれつつ閉店しました。
閉店理由は、スタッフの高齢化と人手不足だとか。
繁盛店だっただけに本当に残念です…。
カレーうどんの変遷
1965年(昭和40年)カレーうどんのインスタント麺が発売されました。
東洋水産「マルちゃん たぬきカレーうどん」です。
1958年(昭和33年)に日本初のインスタント麺「チキンラーメン」が発売されたよ
現在は「マルちゃんカレーうどん甘口」という品名で販売中です。
ちなみに、1981年(昭和56年)日清どん兵衛カレーうどんが新登場します。
2003年(平成15年)にはカレーうどん専門店が誕生し、全国へ広がりました。
- 「古奈屋」1983年創業(東京)
- 「若鯱屋」1987年創業(名古屋)
- 「饂飩家五右衛門」1996年創業(香川)初代より譲り受けた
またご当地カレーうどんも誕生します。
- 名古屋カレーうどん
特徴は、鶏ガラベース、食べ応えのある極太麺を使用しています。
具材は油揚げ、ネギ、豚肉、かまぼこが基本。
- 美瑛カレーうどん
つけ麺スタイル・焼き麺スタイル・かけ麺スタイルの3種類があります。
うどんに使う小麦粉や肉や野菜などは美瑛産を使用。
- 豊橋カレーうどん
器の底にご飯→とろろ→カレーうどんを入れている。具材には豊橋産のうずら卵をトッピング
また、2022年(令和4年)に日本カレーうどん協会発足されています。
国内外関係なく、カレーうどんを通じて平和で笑顔あふれる世界を作り上げる団体です。
カレーうどんも多様化し、ますます目が離せませんね。
カレー南ばんとは?
カレー南ばんと聞いて麺類を想像できますか?
また、カレー南ばんの「南ばん」ってどんな意味があるのでしょうか?
南ばんを漢字で書くと、「南蛮」という字です。
「南蛮」は、南から来た人という意味で使われています。
カレー南蛮は、カレーの中に長ネギが入っているうどんやそばのことをいいます。
長ネギの別称として使われていて、長ネギを使った料理に使われるようになったとか。
また、南の人(南蛮人)が長ネギを好んで食べていたからという説もあります。
カレー南ばんの発祥
「東京そば」二代目店主 角田酉之介(かくたとりのすけ)さんがカレー南ばんの生みの親です。
その当時はライスカレーやカツレツなどの洋食ブーム。
洋食をそばに取り入れてみようと研究を重ね、カレーを使った商品を開発します。
明治41年大阪・谷町「東京そば」という店名で開店させます。
そばとうどんにかけて カレー南ばんという名で売り出され、大阪で大人気に。
大阪で大成功を経験し、1910年(明治43年)に満を持してカレー南蛮を東京のお店でも売り出しました。
また角田さんは、カレー南蛮をたくさんの人に食べて欲しくて、同業者に材料を持参して宣伝もしました。
しかし、どのお店も相手にされませんでしたが、角田さんは諦めずに宣伝し続けます。
角田さんの努力が実り、大正3~4年頃には多くのお店がカレー南蛮を出すようになりました。
現在は東京都目黒区の「朝松庵(あさまつあん)」という店名で営業されています。
100年以上歴史のあるカレー南ばんを食べることができるんやね。
ちなみにインスタント麺では、2009年(平成21年)どん兵衛 カレー南蛮そばが発売されています。
カレー丼とは?
あなたは、カレー丼を召し上がったことはありますか?
カレーライスとの違いはあるのでしょうか?
カレー丼とカレーライスの違いは、平皿に入っているか、どんぶりに入っているかではないですよ。
カレーライスは、肉やジャガイモなどの野菜をいため、カレー粉を加えたルーをご飯にかけたものをいいます。
カレー丼とは、
- カレー南ばんの上にかかっている具材
- カレー味のあんをどんぶり飯にかけたものを指します。
カレー粉を出汁や割り下でのばし、水溶き片栗粉を使ってとろみをつけるのが一般的。
グリンピースや青ネギが載っていることが多いですね。
カレー丼の発祥はいつ?
カレー丼の発祥は、カレー南蛮が発祥したお店と同じ大阪・谷町「東京そば」。
現在は、東京「朝松庵」という店名です。
カレー南ばん(そばまたはうどん)と同じ具材をご飯の上にのせたのが「カレー丼」です。
カレー南蛮とカレー丼は、1908年(明治41年)に生まれたんですね。
- カレーうどんの発祥は1904年東京・早稲田 そば店「三朝庵」
- カレー南蛮の発祥は、明治41年大阪・谷町「東京そば」(現在:朝松庵)
- カレー丼の発祥は、カレー南ばんと同じ「東京そば」(現在:朝松庵)
- カレー南蛮は、ネギをつかっているかどうか
カレーやカツレツなど洋食がブームになってそば屋やうどん屋には危機感があったんですね。
敢えてうどんやそばにカレーを取り入れてみようとする店主のチャレンジ精神がすごい!
近年カレーうどんの多様化と、ご当地カレーうどんも盛んです。
100年以上前に誕生したカレーうどん、カレー南ばん、カレー丼がどのように進化していくのかも楽しみです。
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