みなさんは、カレーメシを食べたことがありますか?
お湯を入れて混ぜて、すぐにカレーライスが食ベられる優れものです。
カレーメシは手軽に本格的なカレーを楽しめ、その手軽さとおいしさは、多くの人を魅了し続けています。
しかし、カレーメシが誕生するまでの道のりは、決して順調ではありませんでした。
試行錯誤を重ねた開発過程や、さまざまな前身商品があったことをご存じでしょうか?
このブログでは、カレーメシの誕生秘話から、進化の過程、そして現在の姿までを詳しく掘り下げていきます。
カレーメシファンはもちろん、食の歴史に興味がある方にも楽しんでいただける内容です。
カレーメシって何?
カレーメシとは、日清食品が販売するお米とカレーを使ったインスタント食品です。
容器のなかにお湯を入れ、5分間待つとカレーができます。
お湯を入れて5分後にフタと開けてみると、
「この状態で本当にカレーになるの?お湯の量を間違えた?」
と思うかもしれませんが、スプーンでカップの底からよくかき混ぜてみてください。
カレールーが溶けて混ざり合い、とろみがついて本格的なカレーができあがります。
カレーメシを食べる前によく混ぜることやね!
ちなみにカレーメシ ビーフの中身はこちら。
お湯を入れて5分待つだけで、手間をかけたカレーと変わらないカレーができるのでしょうか?
それはカレーメシを生産する工程に秘密があるようです。
炊きあがったお米は、お米同士がくっついたままです。
このまま乾燥させてもバラバラになりません。
炊きあがったご飯から、米つぶ一つ一つをほぐします。
その後、高温&高速の熱風で一気に水分を飛ばし、乾燥します。
これは日清のインスタント麺乾燥技術を活かしているからです。
乾燥したお米にお湯をかけて5分間待つだけで、ふっくらしたお米に変化します。
インスタント麺のノウハウが生かされているんやね!
また「日清カレーメシ」は会社での昼食からアウトドアまで、幅広いシーンで活躍できます。
◆普段使い
手軽に温かいカレーが楽しめるので、昼食や夕食にぴったりです。
お湯を注ぐだけで食べられるので、オフィスや外出先でも簡単に食べることができます。
◆アウトドア
カレーメシは軽量で持ち運びに便利なので、キャンプや登山などのアウトドアのお供に最適です。
◆防災用品
常温保存が可能なので、災害時の非常食として備蓄しておくと安心です。
調理が簡単なので、災害時でも温かい食事を摂取できます。
カレーメシは、ご飯と具材が一体化しているので、洗い物が少なく、片付けも簡単です。
またカレー以外にも種類も豊富なので、気分や好みに合わせて選ぶことができます。
カレーメシ誕生までの歴史
カレーメシを含むカップメシは、お湯でかけて5分でできる簡単で便利な商品です。
しかし、カレーメシが誕生するまでに前身商品があったことをご存じでしょうか?
過去にカレー&ご飯を使った商品は、
- 日清ランチ
- カップライス
- カップヌードルごはん
- カップライス ビーフカレー
- カレーメシ
があります。
何度も試行錯誤を重ねた末、現在のカレーメシへと進化しました。
日清ランチ
1967年(昭和42年)日清ランチが発売されます。
この商品は、チキンラーメンの応用技術を使い、炊いたお米を油で揚げたものです。
- 日清ランチ カレー
- 日清ランチ チャーハン
- 日清ランチ チキン
日清ランチカレーは、炒めたドライカレーみたいやね。
日清ランチは、ご飯のインスタント化成功とともに、日清ランチの主食革命でした。
日清ランチの作り方はこちら。
- コップ一杯(180ml)の水をフライパンで沸騰させる
- 本品をフライパンに入れて3分間炒めて完成
日清ランチの販売促進イベントも行いましたが、油っぽさと高価だったため、早々に発売が終了しました。
また、この当時はどの家でもご飯を炊いていたので、ドライカレー、チキンライス、チャーハンは残ったご飯で作ることが多かったことも販売不振の一つです。
カップライス
日清食品は、1975年(昭和50年)10月22日にカップライスを発売します。
カップにお湯を入れ、注いだお湯を捨てた後、3~5分間蒸らすだけで、炊きたてのご飯ができあがるライス加工食品です。
単に米をインスタントにするだけではなく、実は米の販売促進する目的もありました。
なぜなら1970年頃から食の欧米化による日本人の米離れが進んでいた年代でした。
カップライスの誕生には、余剰米に困っていた当時の食糧庁長官が安藤百福社長に相談したことがきっかけだったのです。
安藤百福さんは、チキンラーメンの生みの親なんやで。
実はカップライスが開発される前に、油熱処理によって多孔質の米を作る技術は既に確立していました。
そして新しく開発した技術を従来のパフドライ技術と組み合わせることによって、油っぽさのない美味しいプリクックライスを作りだすことに成功します。
カップライス(ドライカレー)の食べ方はこちら。
- フタをあけ、付属袋を取り除く
- 熱湯を注ぐ
- 10秒待ってお湯を捨てる
- カップをさかさまにして5分待つ(下に皿を用意)
- 5分後にカップを上向きに戻す
- 「味オイル」の次に「味ベース」を入れて混ぜ合わせたら完成
また、当時発売したラインアップは以下の通りです。
- 海老ピラフ
- ドライカレー
- チキンライス
- 五目寿し
- 赤飯
- 鮭茶
- 中華シチュー
※中華シチュー(160円)以外は200円
発売直後は売り上げも好調でしたが、発売後まもなく売上が減少してしまいます。
売上が減少した原因を調べるため、あるスーパーへ社長自ら視察することになりました。
そこで見たものは、カップライスを一度手に取ってみるものの、また売り場に戻していく主婦たち。
カップライスではなく、カップラーメンをかごに入れる光景が多くみられました。
その理由を聞いたところ、「お米は家で炊けるけど、ラーメンは自分で作れない」とのこと。
また、値段が高いことや湯切りが面倒なことも買わない理由として挙げられました。
社内で検討した末、「カップライス」の生産を一時撤退しました。
カップヌードルごはん
カップライス販売後は、2009年(平成21年)に日清GoFanが発売されます。
カップ入りのごはんを電子レンジで加熱調理する商品です。
日清GoFanにはカレー商品はありませんでした。
その後、2012年(平成24年)カップヌードルごはんが発売されます。
- 日清カップヌードルごはん
- 日清カップヌードルごはんシーフード
- 日清焼きそばU.F.O. そばめし
そばめしに続く、第4弾として日清カップヌードルごはん カレーが発売されます。
調理法はこちら
- 箱から中身を取り出し、水を160ml入れる
- 具・味付けの素とライスを入れてかき混ぜる
- ふたを閉めて電子レンジで加熱する
- 加熱後、そのまま1~2分置いておくと美味しくなる
- ふたを開け、仕上げの香味油を入れて混ぜて食べる
ご飯の量はだいたいおにぎり2個分なんやて。
味わいはまさにカップヌードルカレー!
パフライスと具材を水から電子レンジで炊くことで、本物のカップヌードルカレーの味と食感が忠実です。
さらにカレー専用コロ・チャーも再現され、本格的な味わいに仕上げています。
カップライス ビーフカレー
日清食品のカレーメシの前身である商品が、2013年(平成25)にカップライス ビーフカレーが登場します。
カレーライスを即席カップライスすることにより、革新的な「インスタントカレーライス」です。
「煮込んだカレーライス」をイメージして作られたようです。
3段階の辛さのカップライスビーフカレーの特長がこちら。
- ビーフカレーライス 甘口(玉ねぎとにんじんの甘みを強調)
- ビーフカレーライス 中辛(スパイスの香りがメイン)
- ビーフカレーライス 辛口(赤唐辛子と黒こしょうがアクセント)
水を入れて電子レンジで加熱調理するだけでカレーができる商品で、「日清カップヌードルごはん」と同じボックス型のパッケージでした。
カレーメシ
カレーメシは、2014年(平成26年)に販売されます。
カレーメシの前身である「カップライスカレー」は味の評価は高かったものの、「カレーとご飯が最初から混ざっているのはカレーではない」など意見がありました。
その意見を踏まえて、コンセプトの見直しを始めます。
日本を代表するアートディレクターの佐藤可士和氏による完全プロデュースのもとデザインを一新。
「カレーメシ」というシンプルなネーミングとターゲットを若い男性に絞ることで、大ヒットします。
当時のラインアップはこちら。
- 日清カレーメシ 中辛
- 日清カレーメシ 辛口
- 日清カレーメシ 大辛
- 日清トマトカレーメシ
また調理方法は以下の通りです。
- 水を入れる
- レンジでチン(500Wで約5分30秒)
当時はお米と顆粒状のルーが混ざった状態の商品でした。
2016年(平成28年)8月にリニューアルし、現在のカップ麺のかたちで販売します。
今度は熱湯を入れて5分後にかき混ぜると完成する商品です。
リニューアル前は水を入れてレンジで加熱調理していました。
レンジでの加熱式から調理法を変更した理由は、
- 電子レンジはどこにでもあるとは限らない
- カップ麺のようにお湯かけ調理が日本人になじみがある
とされています。
お湯入れ調理への変更後、カレーメシの年間売上が2倍になったとか。
現在のカレーメシも売り上げを伸ばし続けています。
カレーメシの味の紹介
2014年(平成26年)の発売して約10年。
その間たくさんのカレーメシが発売されました。
2017年~現在発売中のカレーメシと味の特徴も紹介します。
現在発売中
2024年4月時点で販売しているカレーメシはこちら。
商品名 | |
カレーメシ ビーフ | スパイスの香りと玉ねぎの甘みが絶妙に調和した、本格派ビーフカレー。 |
カレーメシ シーフード | ローレル、タイムなどのスパイスを効かせた、魚介の豊かな風味とコクがぎゅっと詰まったシーフードカレー。 |
キーマカレーメシ スパイシー | オニオンなどの野菜とチキンの旨味をベースに、クミン、カルダモン、クローブ、コリアンダーなどのスパイスがきいたカレー。 |
バターチキン カレーメシ まろやか | トマトの爽やかな酸味とバターのコク、チキンの旨味が織りなす味わい深いバターチキンカレー。そこにジンジャー、ガーリックなどの風味が加わり、食欲をそそる香り豊かな後からじわじわとくる赤唐辛子の辛味がアクセント。 |
完全めしカレーメシ欧風カレー中辛 | たんぱく質、脂質、炭水化物だけでなく、ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸もバランス良く摂取が可能。コリアンダー、カルダモンなどのスパイスに、たまねぎの旨みと甘みが加わり、唐辛子でピリッとした辛さ。 |
完全めしキーマカレーメシスパイシー | たんぱく質、脂質、炭水化物だけでなく、ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸もバランス良く摂取が可能。オニオンなどの野菜とチキンの旨み、クミン、コリアンダー、カルダモン、クローブなどのスパイスが香り高いスパイシーな味わい。 |
過去に発売されたカレーメシシリーズ
2024年の発売はこちら。
発売日 | 商品名 | |
1月 | 日清和風だしカレーメシいとうまし | 近年、カレーの新たなジャンルとして注目を集めているのが、風味豊かな「和風だし」を使ったカレー。5種類の和風だし(かつお、昆布、さば、あご、はも)をふんだんに使用。和風だしの旨味と、タマネギなどの野菜の甘みが織りなす、奥深い味わいが特徴。 |
2023年
発売日 | 商品名 | |
11月 | 日清ブラックカレーメシ 欧風ビーフ | 男性を中心に人気を集めているのが、見た目も味わいも濃厚な「ブラックカレー」。ドロッドロで濃厚なコク。ビーフのコクと、じっくり炒めた玉ねぎの甘み、そして14種類のスパイスが織りなす濃厚な味わい。 |
9月 | 日清ゲーミングカレーメシエナジージンジャーキーマカレー | 国内のゲームプレイ人口は、若者を中心に年々拡大。 オニオン、トマト、ポークの旨味と、しっかり効いたジンジャーの香りが特徴的なスパイシーなカレー。カフェイン、アルギニン、ナイアシンを配合し、ゲームプレイ中の集中力アップも期待。手や周辺機器を汚さずに食べられるのもポイント。 |
8月 | 松屋監修創業ビーフカレー | 1966年創業の牛丼チェーン「松屋」で長年愛された「創業ビーフカレー」。しかし、2021年に惜しまれながら販売終了。ビーフと玉ねぎの濃厚なコクに、20種類以上のスパイスで後引く辛みをきかせた、スパイシーでありながらマイルド&フルーティな松屋のカレーを再現した商品。 |
7月 | 日清スパイスカレーメシ チキン(復活商品) | 2021年発売した「日清スパイスカレー カレーメシ おしゃれチキン」のパワーアップ商品。スパイスを20種類に増やし、香り豊かで本格的な味わいを実現。チキン、オニオン、トマトの旨味とスパイシーな「辛旨」カレー。 |
4月 | カレーメシ マッサマン 甘辛スパイシー | “世界一おいしい料理” と称される “マッサマン”。 ココナッツミルクの甘みとコク、唐辛子の辛み、シナモンやコリアンダーなどのスパイスが織りなす、まろやかで奥深い味わいが特長。 具材には食べ応えのある蒸し鶏、ポテト、ニンジンがある。 |
2021年
発売日 | 商品名 | |
10月 | 新宿中村屋監修 カリーメシ インドカリー | 1927年に発売された「純印度式カリー」は、日本初の本格インドカリーとして、老舗「新宿中村屋」を代表する人気メニューです。二宮健総料理長監修のもと、じっくり炒めた玉ねぎの旨味とコク、19種類の香り立つスパイスをきかせたルーは、100年愛される「純印度式カリー」の奥深い味わいを再現。 |
3月 | 日清スパイスカレーメシ おしゃれチキン | 大阪発祥のグルメとして人気を博している「スパイスカレー」。チキンの旨味とカルダモン、ローズマリーなどのスパイスが香るサラサラなルー。「カレーメシ」シリーズ初の別添えの「特製スパイス」あり。 |
3月 | 日清 58%カレーメシ ビーフ(小盛カレー) | おにぎり約1個分のお米が入った小盛サイズで、従来品の約58%の容量。 |
2020年
発売日 | 商品名 | |
7月 | オーベルジーヌ監修 欧風カレー | 1986年創業、東京・四谷で愛される宅配欧風カレー専門店「オーベルジーヌ」。芸能界でロケ弁としても絶大な支持あり。72時間煮込んだ玉ねぎの究極の甘味と20種類以上のスパイスの後引く辛味、ビーフの旨味と生クリームのコクが絶妙。 |
2月 | 和風だしカレーメシ JAPAN | かつおと昆布の和風だしをベースに、ポークの旨味とタマネギの甘みを融合させたルーは、あっさりとした中にも深いコクを感じられる味。ウコン、コリアンダー、クミンなどのスパイスが絶妙なハーモニーを奏で、後を引く味わい。 |
2019年
発売日 | 商品名 | |
9月 | 麻婆カレーメシ トレンディ | ルーにはカレースパイスの他に、花椒と唐辛子を採用。、麻婆豆腐のような「辛さ」と「痺れ」を再現。さらに、豆板醤と甜面醤で深みを、五香粉で中華料理特有の刺激的な香りをプラス。また単なる辛さだけでなく、深いコクと豊かな香りを楽しめるカレー。 |
2月 | カレーメシ カップヌードルカレー味 | 野菜の甘味とチキン、ポークの旨味が凝縮されたマイルドな味わい。カップヌードルカレー特有のフライした風味まで忠実に再現。 |
2018年
発売日 | 商品名 | |
9月 | トマトチキンカレーメシ AIが考えた | 2400万通りの食材の組み合わせから、AIが「カレーメシ」ファン好みの味を算出。AIの提案を元に、試食と改良を重ね、スパイスの種類や配合を調整。トマトの酸味とチキン の旨味が絶妙なバランス。 |
2017年
発売日 | 商品名 | |
2月 | 欧風カレーメシ バター&ビーフ | 濃厚なバターのコクとビーフの旨味。じっくり煮込んだビーフの旨味をベースに、フルーツチャツネの甘みとバターのコクを贅沢にプラス。後からジワジワと感じる唐辛子の辛さがアクセント。 |
- カレーメシは、お湯でかけて5分でできる簡単で便利な商品
- カレーメシが誕生して、約10年(2014年から発売)
- カレーメシに至る先駆けの商品は「日清ランチ」
- 最初のカレーメシは、電子レンジで加熱調理する商品
カレー以外にも味のバリエーションが増え、それらを含めて「カップメシ」と呼ばれています。
お湯をかけて5分ですぐ食べられ、普段使いから非常食にも対応できる優れもの。
ますますラインナップが増えていくの楽しみですね。
※商品等2024.4月時点での情報です。
参考:日清食品HP(カレーメシ)https://www.currymeshi.com/
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